庶民が見た幕末 ~箕輪郷騒動記~

箕輪町の文化財 - 箕輪町図書館蔵書のデジタルアーカイブ


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3水戸浪士の最後・追いつかない追討軍浪士隊から遅れる事3日、11月24日に田沼意尊が率いる幕府の浪士隊追討軍が松島宿を通過しました。『今様奇談』には追討軍の絵も描かれていますが、これを見ると、追討軍は歩兵隊が剣付鉄砲を携えて行進しており、近代的な装備だったようです。そうした装備があれば浪士隊にすぐにでも追いつきそうなものですが、追討軍は、人々が浪士隊から貰った物や諸藩の処置を調査しながら、つかず離れずの進軍で、とても追い打ちをかけているようにほ見えなかったようです。『今様奇談』にも、浪士には追い付かぬよう道法をそろそろ行くは歩兵仕(ママ)なもの」と書かれ、戦意がなかっつた様子がうかがえます。また、11月27日と29日にはそれぞれ大砲方が通過していきました。この時も、松島宿では炭や布団などの物品の援助や人足、馬を提供しています。『今様奇談』(写)〝浪士追討ち″(南箕輪村教育委員会所蔵)追討軍の触書(個人所蔵)水戸浪士西上概要図


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