もうひとつの遭難 ~中箕輪国民学校の直江津遭難~

もうひとつの遭難 ~中箕輪国民学校の直江津遭難~ - 箕輪町図書館蔵書のデジタルアーカイブ


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年度9月19日出来事●4時42分伊那松島駅発の電車で、下平教頭が、校長・土屋・滝沢・北村四先生の進退伺及び始末書を持って長野へ向かい、長野で村上先生の進退伺及び始末書を作成し、16時40分すぎに県の主席視学に提出。『直江津遭難諸記録並法要綴』●8時50分頃、廣岡県視学が再び来校し、三澤・泉澤・大槻三家へ御見舞いに行く。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日、直江津に残っていた関係者等は船に乗り、沖合四里くらいのところまで捜索するも、三澤君の遺体を見つけることは出来ず。そのため三澤君の遺族も、明日(※20日)平松君の遺骨と共に帰郷することになる。『直江津遭難諸記録並法要綴』等9月20日●14時59分伊那松島駅着の電車で、平松訓章君の遺骨と遺族、三澤英行君の遺族が帰郷。牛沢校長等三人の先生も一緒に帰郷。大勢の児童らが駅前に出迎え、焼香を行う。5年生以上の児童が手分けをして、木下の平松家、下古田の三澤家まで見送る。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日、役場において村会協議会が開催され、牛沢校長が状況を報告。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日、牛沢校長と下平教頭が遺族(小野家・泉澤家・大槻家・三澤家)を弔問し、20時30分頃帰校。『直江津遭難諸記録並法要綴』●21時20分頃、土屋先生と久保田先生が直江津へ向かう。『直江津遭難諸記録並法要綴』●8時直江津発の列車で村上先生が帰途に就く。また、11時頃、下平教頭が村上先生の家を訪ね、「本日帰宅するので親心を持って迎えて下さい。」と伝える。『直江津遭難諸記録並法要綴』●14時59分伊那松島駅着の電車で村上先生が帰郷。学校に寄った後帰宅する。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日、6年生児童が手分けして小野・泉澤・大槻三家を訪ね、焼香する。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日付で、県が中箕輪国民学校の遭難事件を受け、団体旅行の際の留意事項を通牒。『長野県教育史』●15時頃から、村上先生とその親戚の方・下平教頭が亡くなった五家を弔問。各家では村上先生のことを心配し、更に教育に努力されたしと伝える。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日、前校長の宮坂完一氏が来校し、亡くなった五家を弔問。また、元校長高橋慎一郎氏も来校。『直江津遭難諸記録並法要綴』●20時30分頃、最後まで直江津に残っていた土屋先生と青柳先生が帰校。『直江津遭難諸記録並法要綴』●土屋・青柳両先生が三澤家を訪ね、最後の捜索状況を報告。また、この日は彼岸の中日であったため、焼香に行く人は供物として栗饅頭一箱を持参し、御霊前に供す。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日から牛沢校長は、五人の児童の霊を弔うため、当分の間自主的に謹慎する。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日、亡くなった五人の児童の遺族が挨拶に来校。その際、18日から行っている職員の焼香を、26日をもって中止されたいと申し出る。『直江津遭難諸記録並法要綴』等●14時頃、村会に下平教頭が出席し、「遭難概要」を配布して説明する。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日牛沢校長は、遺体の捜索と関係者への挨拶回りのため、朝一番の電車で直江津へ向かう。『直江津遭難諸記録並法要綴』●直江津から牛沢校長が帰校。『直江津遭難諸記録並法要綴』●役場において村葬の打ち合わせを行う。また、郡教育会の関係者が五家を弔問。『直江津遭難諸記録並法要綴』●この日行われた職員会で、牛沢校長より「この事件を基にして大いに墳を発して天下に立つ教育を立つべし」との痛切なる話あり。『直江津遭難諸記録並法要綴』●牛沢校長と向山先生が学校を代表して五家を見舞う。●午前中は、遭難で亡くなった五人の児童それぞれの家で僧侶による読経が行われる。また、正午には、同級生である6年生の児童と先生方が手分けをして霊を迎えに行くため学校を出発する。その他の児童等は校門前に並び、霊を迎える準備を行う。●各霊が学校へ到着後、13時30分頃から講堂において村葬が行われる。葬儀は15時30分頃に終了し、遺骨はそれぞれの墓地に埋葬される。児童代表等は、それぞれの墓地までお見送りし、その他の児童は校門前で見送る。『直江津港遭難五児童村葬儀に関する文書綴』●全校遠足を行う。『校務日誌』●遭難児童遺族一同が村葬のお礼のため学校を訪れる。『校務日誌』等●遭難一ヶ月につき、全児童を北体操場に集め、遭難児童に対する黙祷式を行う。『直江津遭難日記』●この日の職員会で、牛沢校長が遭難事件後の考えを述べる。『牛沢搏美先生』●新潟県警察あてに、三澤英行君の捜索願を出す。『校務日誌』等●この日運動会が行われる。8時に開会し、15時45分に終了とのこと。曇天にて寒く、時々雨が降ったものの、規律正しく行われる。『校務日誌』●四十九日にあたるため、児童等も遭難児童のお墓参りを行う。『利典遭難記』●14時から、牛沢校長・土屋先生・滝沢先生・村上先生が、直江津遭難事件に関して伊那区裁判所内検事局に出張。『校務日誌』等9月21日9月22日9月23日9月24日9月25日9月27日9月28日9月29日9月30日10月3日10月4日10月6日10月7日10月13日10月21日10月24日10月31日11月11日―22―


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