もうひとつの遭難 ~中箕輪国民学校の直江津遭難~

もうひとつの遭難 ~中箕輪国民学校の直江津遭難~ - 箕輪町図書館蔵書のデジタルアーカイブ


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『直江津港及五智名所地図』昔のつたや旅館(海側から)◆遭難当時の気象状況校務日誌には、9月13日の天気は雨/曇と記されています。また、気象庁のデータでは、松本の降水量は12・13日とも僅かであり、当地方ではわずかに雨が振る程度であったと思われます。一方高田は、12~15日にかけて、ある程度の雨が降っていたようです。しかし、「雨はあまり降っていなかったが波は高かった。すごく高いわけではないがうねりがあった。」(つたや旅館の方の話)のように、多くの方が、雨はほとんど降っていなかったが波は高かったと記憶しているようです。また、当時新潟はかなりの雨量があり、その影響もあったかもしれません。事件後に記された史料の中には、当日直江津に暴風警報が出ていたとするものもあることから、波はかなり高かったものと思われます。しかし、海の事をよく知らない長野県人には、どのくらい危険な状況なのかがわからなかった可能性が考えられます。※参考昭和17年9月12日~15日の降水量(「気象庁過去の気象データ」から引用)9/12計(1h最大)1.8(0.6)25.5(9.9)47.6(17.7)9/13計(1h最大)1.5(1.0)13.1(6.7)46.6(23.0)9/14計(1h最大)0.0(0.0)24.6(7.8)12.6(4.3)9/15計(1h最大)13.0(6.1)8.5(1.9)0.0(0.0)松本高田新潟昔のつたや旅館(入口側から)現在のつたや(営業はしていない)現在の直江津突堤(つたや2階から)―5―


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