満州開拓 富貴原郷開拓団の記憶

満州開拓-富貴原郷開拓団の記憶 - 箕輪町郷土博物館開館40周年記念冊子 - 箕輪町図書館蔵書のデジタルアーカイブ


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第二章富貴原郷開拓団の記憶私たちの故郷から満州に渡った人たちは、現地でどのように暮らし、また、終戦後の混乱の中を生き抜いて来たのでしょうか。戦後六十八年を経過してしまった現在、富貴原郷開拓団に行かれた方々の高齢化も進み、あるいは亡くなられ、その貴重な体験を聞く事は困難になっています。こうした中、富貴原郷開拓団に参加された方々により結成された「富貴原会」が、昭和五十七年に刊行した『満州開拓誌』には、戦後三十七年の年に記された貴重な思い出が数多く記されており、富貴原郷開拓団の様子を知る上での貴重な史料となっています。このたび、「富貴原会」の許可をいただき、昭和五十七年に刊行された『満州開拓誌』を掲載させていただくことができました。なお、一部文字や表現を修正した箇所がありますので、ご了承下さい。チチハル忠霊塔前にて(向山一雄氏一家/昭和20年春)〔向山ひろ子氏提供〕満州開拓誌満州開拓の思い出▼出身地区上伊那郡北部一〇カ村▼入植地興安東省阿栄県黒信▼入植年昭和十七年▼団長村上顕▼入植者数三〇八名▼死亡・未帰国者数一一〇名富貴原会満州開拓の唄一生れ故郷を後にして俺も遥々やって来た蘭の花咲く満州で男一匹腕験めし二金もなければ地位もない生れついての丸裸持った度胸が財産さやるぞ見てくれ此の意気を三赤い日土の香燃ゆる希望があればこそ何んの苦労も青天井きっと万里の空を見る


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