箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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帰途、中曽根では区長宅に挨拶し、鉄摂親の家ほか二軒に寄り、顔に墨または鍋墨をつけてもらう。各家では、その子が百才まで生きるように百円与える。品目は一銭だった。下古田では、橋のない家三軒に寄り塩をなめさせるところだけ中曽根と異る。初予の宮参りには、女一見いちげんを兼ね、嫁の在所の主な親戚であるオバや姉妹、本家や嫁の親の出場所などの女衆を全部招待するところが多い。祝宴は星方の父母を主客とし、その親戚を上座にすえ、鉄妓親、仲人を主客の左右に、その他は末座に着いて饗応を受ける。食い初生後百日目に、(百十日目のところもある)に食い初めということをする。初膳には、石でも攻める丈夫な歯になるように願う心からか、皿に小右三個を盛って添える。食べさせるまねだけする所もあり、ご飯一粒だけ食べさせる所もある。子の茶碗や箸は、塁親から初子に贈られる。誕生日里親、鉄摂親、仲人の妻、婿の兄弟等を招いてお祝をする。アシコロ餅を一重背負わせる家もあるが、普通は米一升の家が多い。一斗箕に子どもを入れ、「シイナは舞っていけ、よい実は残れ」と一一一度となえてあおる。昔は、牛ぼう(牛首)という糸を撚る枠をはめるものに、子どもをつかまらせておき、お祝に作ったアジロロ餅をホッベタにぶつけるようなこともしたが、そのいわれは分らない。箕に入れる人は特に定つてはいないが霊親のする場合が多い。初節句女の子は三月三日に、呈親、鉄紫親、仲人の妻などを招いて祝う。二月にはいると雛壇を設けて、塁方から贈られたお内裏さまを、中心にして飾り、菱餅、甘酒、ひな菓子などを供えて祝う。ひな人形


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