箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


>> 709

なると、通町が主となって北の方へ点在した。西部土古田、下古田、富田、中曾根方面や東部福与、三日町、長岡あたりの人たちが、年とり準備のために松島の商庖へ買物にくる。その人たちの財布のひもをといで売り付けようとする露庖商人の呼び声は、索、い師走の町並の中に高くひびいたものである。年とり魚を買いこんで、道ばたの露庖をのぞきこむ人たちの顔には正月を迎える喜びが見え、遠くへ稼ぎに出て年とりに帰ってくる兄弟やこども達に何かひとついいものでも用意するといった様子がうかがえた。


<< | < | > | >>