箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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鮎の友釣とは、おとり鮎を使って、鮎のなわばりの習性を使つての漁法である。鮎の漁期は六月中旬より八月いっぱいくらい主として行われ、九月になると落ち鮎といって死滅する。友釣はこの七八月のJ聞に行われ、鮎の漁法としては最も良い方法である。網を作つての漁法は、投網、四ツ手網が行われたが、投網は鮎や赤魚などをとるのに用いられた。四ツ手網は主として青むしをとるのに用いられたが現在では殆ど用いられていない、投網は愛好者があって夏の間多く用いられているが、鮎放流後、一ヶ月半位の聞を区切って、鮎の生育保護のため、その使用を禁じている。瀬付漁業(つけ場という〉五月は魚の産卵期である。天竜川の赤魚(うぐい)は交尾のため適当の場所を求めて蝿集する。そこを見つけると一と網で何拾尾という赤魚をとることが出来る。漁業者は瀬の具合のよい処に小石を入れて水垢を落し、魚のつきやすい、子をすりやすい場所をつくり投網でとる。今は県の規則により瀬付漁業の占用許可を知事から得ないとこの漁業はできない。川ほしょく行われたのが川ぽしである。大掛りものは天竜川の枝流れを止めて魚をとる大川ぼしから、水田に濯概する専用水路の川ぼし、小川を止めて魚をとる子供が行う川ぼしまでいろいろあるが、九月に入って二百十日から二百二十日迄の聞に行われ、魚をとるための桶、馬穴で水をかえ出す音は稔りの秋の風物詩であり、初秋のなごやかな田園風景である。笹引き深い測などで、普通の方法ではとても魚はとることが出来ないので笹引きが行われた。それは賓の子の長いものに青笹をつけて水中を引き、水泳の達者の者三、四人で引き、かんがい用水取入口に魚を追い詰め、力、じ方、


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