箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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第3章土地改良・開拓第三章土地改良・開拓第一節伊那土地改良事業の概要天竜川(三日町)に頭首工を設置し、沿岸に伊那北まで細長く続く水田の用排水路の整備と圃場整理を行なったもので、事業の概要は次のとおりである。この地区は、北から南へ百五十分の一から三百分の一の勾配を持つ沖積層である。天竜川及びその支流から、一七カ所の取入口で取水濯概していたが、簡単な木工沈床または牛枠であったため、年々水害を被り、多額の復旧費を費しながら、必要時期の所要水量確保に困難を来していた。また洪積台地が東西から迫っているため湧水が多いのに、排水路が不備のため一般に地下水が高い。耕地の大部分は不整形で農道も排水路もなく、水路の多くは用排水兼用であったから、大部分が湿田または湛水田であった。こうした悪条件下にあったため、耕作に非常な労力を費しながら、生産量は少なかった。この事業は、これらの悪条件を取除くために、取入の統合と排


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