箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


>> 350

献金褒賞書「方今列国ノ際ニ立チ国家ノ独立ヲ維持セントセパ独リ主権線ヲ守禦スルヲ以テ足レリトセズ必ズヤ利益線ヲ防禦セザルベカラズ」その方法として、「必ズ国ノ資力ノ許ス限リ寸ヲ積ミ尺ヲ累ネ以テ成績ヲ見ルノ域ニ達セザルベカラザルナリ」其のためには、「故ニ陸海軍ノタメニ巨大ノ金額ヲ割カザルベカラザル必要-一出ルノミ」という強兵による富国、すなわち利益線の拡張を目的とする軍備充実の宣言がおこなわれた。海軍拡張が詔勅によりまた議会により進められた。O明治二十四年、政府提出の予算八、三五万円から七九四万円を削減し、海軍省提出の軍艦製造費二七五万円の六か年継続と製鋼所設立費二二五万円の六か年継続を、おこなうというものであった。また天皇の詔勅には「国家軍防ノ事一一至リテハ、有シクモ一旦緩クスルトキハ或ハ百年ノ悔ヲ遺サン」とある。此の頃、軍の編成の変更があり、箕輪町の徴収兵は主として名古屋鎮台の管轄であったが、第一師団(東京)管区に属し高崎聯隊区へ入営する者がでてきた。富国強兵の施策のもと国民にも日清戦争に対する関心も深く戦争遂行のために献金もあった。


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