箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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人もいる。あおでしよう(アオダイジョウ〉山地、平地ともに棲息する。これの白変したものが「しろへび」である。松島にもこれに関する話がある。家屋内、屋根裏に入ることもある。神さまのお使いとして大切にした、家ねずみを捕食してくれる大切な神さまである。小鳥のひなをねらって木や屋根にも登る。一番大型で二メートルぐらいになる。しまへび(シマヘビ)山地、平地共に棲む。蛇は一般に幼体と成体とがその斑紋を異にするため、一見別種のように見えることがある。シマヘビも幼体には背面に縦走する線状の斑紋がなく暗褐色の横じまがある。これOJをからすへびという人もある。精力剤といってしまへびを食べる。骨ばかりで肉らしいものはない。じもぐり(ジムグリ〉平地から山の頂上まで棲む。色が黒いのでこれをからすへびという人がある。和名ジムグリより箕輪名じもぐりの方がこのへびの名前にふさわしいように思う。ひやかり(ヒパカリ〉平地に棲み木の根、草むら、桑畑にいる。小型。大きくても五O個以下。暗褐色。一見弱々しく感ずる。これも箕輪名ヒヤカリの方が此のへびにふさわしい。まむし前記の五種が箕輪町内に棲むへびの主なるものであるが山麓湿地帯に僅かであるがまむしが棲む。毒蛇で体長六七0センチが最大、頭はほぼ三角形、頚は細く、胴は太く尾は急に短かい。背面は個体によって異なり、灰褐色、赤褐色、黒褐色のものがあり、赤まむし、黒まむしという。まむしの被害はこの頃は少ない。焼酎漬けの赤まむしは薬用として珍重している。捕獲して水中に数日入れ、後に水を焼酎にかえる。中のまむしは脱皮しそれが溶ける。長年月経過したもの程、内用外用の薬の効果を増すそうである。まむしの毒牙は、その先の牙の先端から毒液を分泌する管牙である。牙という注射器で、毒液を人体に注射されたと同じ結果になる。十分の一グラムで馬一頭が倒せるわけである。毒は蛋白質的なものであるがその本体は明らかにされていないようである。毒へび類の毒は出血毒と神経毒の二種あるがまむしは出血毒、つ'まり体内へのまわりが早く局部に炎症をおこし、ついで組織を破壊するといわれる。かまれたら心臓に近い所を早く固くしばれということにな


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