箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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ある。のたば体につくダニを払うためか、松の樹皮に体をこすりつけ、掛木の皮をはぎ、まつやにを体につけ、湿地でころ。かつて体に泥をつける。つまり「のたうつ」習性がある。その場所を「のたば」といい、駒ヶ岳の中腹には「野田場」という地名がある。内萱より駒ヶ岳登山道の湿地である。箕輪町には八乙女公園の北方、大出の山道を「野田道」といい、霧沢山に「のた」という所がある。現在も福与でいのししが水田をのたばにして稲に被害を与えることがある。電牧|電気牧さく現在はいのししの被害防止のため長岡の所開橋付近、長岡新田、柄平にかけて、電気牧さくを設置し、夜間これに電流を通すため、電線が田の周囲に張り巡らされている。電牧のほかにアセチレンガス利用の爆音器(水を利用した昔のドッタリ、今はない〉また重油をひたしたぼろきれ、ゴムタイヤ、もみがらなどを焼いて臭気による防止方法が福与地域でおこなわれている。猪と人とのかかわりには右のように歴史があり、またその猪も現在生きている。自然の大型晴乳類が減少していく今日、多少の被害はあっても県獣カモシカ同様に、大いに保護していきたい動物である。ももっか(ホンシュウモモンガ)箕輪南小の校庭の東の柳の木に巣があり棲息していた。(昭和四十年)道路拡張のため、木を倒した時に一匹は校舎の屋根を越して東の山に逃げた。他の一匹はそれより前に誤って捕獲された。りす科の動物、ムササビと同類だがムササビより小型。落下時に四肢の飛膜を広げて上枝から下校にとぶ。一内外の距離という。夜出て樹木の実を食べる。母親は子どもに「ももっかが出るから家に帰りなさい」という。おそろしいものをももっかというが、モモンガから転じてできたことばであろう。なお、おそろしいもののたとえに、もも勺かと並んで「ょたかが出るよ」がある。これは鳥類のヨタカであろう。夕方活動し不気味な鳴き声で低空を飛ぶ。虫を食べOM


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