箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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第七章動物第一節動物の概要動物は棲息環境の変化に伴って鋭敏に変化する。兎追いしかの山、こぶなつりし彼の川、めだかの学校は川の中、これらは親しまれた童謡であるが、現在の箕輪町には他の地域と同様にこの姿は昔話となりつある。気候などによる自然環境の変化は殆ど無いと考えられるが、人為的な環境変化は十年一昔どころでなく、所によっては一年一昔ほどに変化している。堤防工事、土地改良工事、工場設置、農薬使用、資源開発、生活の変化、余暇利用等の変遷につれ、動物の生棲状態は変化している。L昭和初期、松島東方坂井に至る水田地帯に自然流路の小川を「すいかんじり」といい更に東に、回一枚程のどぶ(底なし池)があった。ここなどには「たいわんぜり」(オランダミズガラシ〉の茂みの向うに、めだかの群が学校をつくっていたこともあった。町内にはこのような例も多いと思う。かやノミや蚊は減少した。生活季節だよりといって、蚊帳の使い始めと終りを調査し統計をとった頃もあるが、蚊帳を使わない現在では通じない話である。ノミに代って「ごきぶり」(グロゴキブリ)が台所に入って来た。農耕の原動力であった牛馬もその姿が田畑から見られなくなり、馬は極く限られた一部に生き、田畑・に働いたのろい牛は、乳牛に代った。保育園児を引そっしていた先生が「お馬ちゃん」といって園児に説明していた風景(長岡〉も昔話となりつつある。


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