箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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やがて夏も盛んになると、じなし〈ボケヌいちご〈キイチゴ、ナワシロイチゴ、クマイチゴ、ウラジロイチゴ〉が色とりどりに実り、とげのある小枝が一様に垂れさがってくる。秋を迎えるにつれて、あけび、やまぶどう、ょうずみ(ガマズミ〉がみのってくる。また、ピグを腰につけて九月から十一月にかけて、ねずみあし(ハハキタケ)、せんぽんしめじ(シャカシメジ)、まったけ、里山皮、しめじ、はまっ(マツタケモドキ〉、あぶらぼうず(アブラシメジ〉、きしめじ、はっしもしめじ、くりたけ、りこうぼう(ヌメリイグチ〉、しもしめじ、あわたけ(アミタケ)など、とりに出かけるのである。春。せり、なずな、ごぎょう、はこベら、ほとけのぎ、すずな、すずしろ、これぞ七草と古くから言われている。これは「七草ばやし」として鎌倉時代から害鳥を追って豊作を予祝する「鳥追い」の行事と、災難や病気から免がれる正月の「七草がゆ」と結びついて今日に至っているようである。現在箕輪町では「鳥追い」はないが「七草がゆ」の略式の行事をする家庭も僅かであるが、七草は町内路傍で見られるありふれたものである。前記山菜の類である。ごぎよう(キグ科)ハウコグサ、ハハコグサ、高さ二十センチ内外、葉と茎に白い軟毛が生えている。夏に寅松島すいかんじりたいわんぜりの群生五七草ち


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