箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


>> 97

第6章植物別にユズリハの和名のある植物がある。とうだいぐさ科Hユズリハ属Hユズリハで、一見ゴム原料としてのパラゴムノキ、あるいは、モグレシのなかまのタイサンボグの葉に似ている、が、箕輪町においては、確認してな山山菜料理などといわれ、いわゆる畑で栽培された従来の野菜以外の自然の野草の料理が山菜料理である。太平洋戦争当時は食糧不足に悩まされ、山野にこれらを求めて食糧とした忘れ難い記憶のある年配者も多いが、現在ではその野趣を喜び、箕輪町の多くの者が、山菜採りを余暇利用の行事としてまた、家庭料理として山菜が利用されている。山菜は早春から晩秋に至る問、種類を変えて多様に町内あちらこちらに登場してくる。早春の土手に鱗状の包につつまれた花穂の「ふきのとう」が出る。雄花は白黄色、雌花は白色である。山菜はここから始まる。なずな、こめなずな(タネツケパナ〉つみをする人の姿が天竜川の水団地帯に見られるようになると春の始めである。わらび、うど、ふき、たらの芽、すいこハスイバ)、いたんどり(イタドリ〉、やまごぼう(ヤマボクチ)などを、取りに出かける人がこれに続いて見えるようになる。帰りには河岸や崖に咲く、あかしゃ(ニセアカシヤ)の花の枝を手にしている。天ぷらの味も格別である。又、平地の土手では、あずきっば(ナンテンハギ)、ねんぶり(ノビル)、みつば(ツリガネニンジン〉、もちぐさ(ヨモギ)を摘み、かん木のおこげ(ウコギ)も此の頃である。湿地でとったせり、たいわんぜり(オランダミズガラシ〉の白い根を洗うのもこのころである。たいわんぜりは、水路整備で姿が以前より、見えなくなったが、松島坂井東方地籍の水路に、群生するのが見えてきた。


<< | < | > | >>