箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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東山と西山「西山へ虹が立っと雨」「天竜川を虹がまたぐと雨」虹は際雨などにより、空気中の水滴が太陽光線を受けて、四二度の半経を持った採光の弧であるが、どれも西に見えると雨となっている。「西窓があけば晴れる」西山の上の雲が切れたら晴れということであるが、日本の気象の「天気は西より」の西高東低の気圧配置をさしているのではないだろうか。「駒ヶ岳ほうきは晴になる」巻雲が駒ヶ岳山頂より伊那市の上空あたりの方向に大きな手をさしのべた状態を箕輪町から南の空に見られる場合である。これも強い風が伊那市上空に吹いている結果とすれば晴天の前ぶれと考えられる。そのよび名から「なきつつらが曇ると雨」(下古田から仙丈方面をみた)「夕立の、も(じよろうの、も〉を殺すと雨」「夕立花(ひるがお〉をとると雨」「雨っぷり(ほたるぶくろ〉をとると雨」どれもそれが雨とかかわりのある名前である。現象を見て予想「かぼちゃのつるが太いと風が吹く」「もろこしの根が上から出ると風がふく」「さっきの花が下を向いてさくと雨」、雨が降ってもぬれないように、風が吹いても倒れぬようにと関係づけたものだろう。かぼちゃや、もろこしに聞いてみるほかはない。「山かがしが出ると晴、青だいしょうが出ると雨」山かがしの赤い色は夕焼に、青だいしょうの青黒い色は曇った空に通ずるのか、これもへびに聞く以外にない。もちつき「蚊がもちをつくと」「ぶゆがもちをつくと」「羽ありが飛び交うと」どれも雨。はげしく飛び交う昆虫の性行動をいうのである。集蛾燈に集まる昆虫も高温多湿の時が多い。「池の鯉がとび上ると雨」と関係があると思う。「風が吹くと桶やがもうかる」ほど遠廻しではない。四


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