箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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くわかっていないのである。英国で調べた人の結果によるとどうもそんなことは無いようだという結果になっている』といって、その実験結果を表に現している。そして最後に『こういう研究の結果から見ると電光の化学作用というものはその存在がかなり一般に信ぜられている割に根拠は案外薄弱である。これなども或は科学的迷信の一つなのかも知れない』と結んである。しかし雷雲(積乱雲)は夏のシンボルである。大地が直射日光で熱された結果生ずるが、入道雲ができるほど太陽が稲を育てているという見方をかえればいなずまと豊年は結びつくと思う。いなづまで一瞬間まわりの山の峰がくっきり映し出される夏の夜のながめは、肥料とは直接の関係はないだろうが、夏の夕涼みの楽しみでもある。風道、霜道と同じように雷の道も箕輪町にある。これは多くは地形の影響によるものであるといわれるが、高圧電流の鉄塔ができてからその道に変化が出たと中原でいわれているが、その関係についてはわからない。第四節天気僅諺箕輪町内にも天気にかかわることわざが多い。音声に関するもの「夕方子どもがさわぐと雨」「犬のなき声が聞えると雨」「とんびがなくと雨」「天竜川の瀬音が近いと」「辰野の汽車の気笛が聞えると」「寺の鐘の音が近いと」「雀、烏、黒つぐみ、ふくろうのなき戸が聞えると雨」等Oどれも音声が近く、大きく、はっきりが雨となっている。音の速度は空気中が一一一一一二・五四秒メートル、水蒸気中は約四四・八秒メートルであるから雨の降る前に空気の湿度が高くなれば、音声もよく伝わることにならないだろうか。


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