箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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大地の熱はぐんぐん大気中へ放散され冷えていくわけである。霜は移動性高気圧のときであって、風は無く、前日または前々日に必ず雨が降っている。雨を降らせた低気圧が東へ去った後を追って、大陸から冷たい大気を持った移動性高気圧が来るのである。春先の終霜の及ぼす影響は誠に大きい。苦代、首床、桑園、果樹園等若芽の一斉に蔚え出た緑が、この終霜にあうと凍結するために全滅することがある。終霜予報の徹底により其の防護に努める。古代の水を増し、首床のおおいを厚くし、果樹園ではたき火などをする、が、桑園など広範囲の場合にはその手だての方法もなく、日の出と共に桑の葉は黒色となり、新芽の出るまでは桑の葉を利用することができない程度になることもある。霜道1霜やヒョウはどこでもところきらわず荒すわけでなく、とくに通りやすいところがある。大風のときに被害を受けるのはどこも同じではなく、とくに風あたりの強いところだけがいつも被害、が大きい。このような道すじを風道というが、初終霜のとくに被害を受けやすいところを霜の道、又は霜道という。冷たい空気が浸入することにともなっておこるので、ちょうど水流のように低地をすすむ傾向がある。箕輪町の霜道も低地、台地の近く、林の近く、川などわずかの地形の差などによって霜道ができている。西天竜幹線の上、下古田部落の東、上棚段丘の西の端などが特に自につく。第三節共同避雷針いぬい夕立おばこのぼたもちこんことない||松島守屋タだちゃ天竜を渡る||長岡夏の雷雨は短時間に多量の雨を降らせる。雨勢は強いが雨域は極めてせまい場合があり、雷雲の移動につれてその境界がはっきりし、雷は農耕との結びつきが強く、乾燥し切ったきび畑の慈雨、つけ菜、大根など秋播き野菜の発芽のために雷雨のあることを、おばさんのぼたもちに例えて願い、文地震につぐおそろしいものとされている。南小河内では度重なる落雷のため、区有の共同避雷針を昭和三十五年に立てた。写真はそれである。フラ


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