箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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土地保全図、土地生産力等級区分図の作成、土地分類調査簿の作成を規定している。町は経済企画庁、県、上伊那農業改良普及所、箕輪町農業協同組合、箕輪町農業技術者連絡協議会、信州大学農学部の協力と農家代表の調査班組織の協力を得て、本調査を意欲的に進めてきた。昭和四十八年度については、第六年度計画が目下進行中である。昭和四十三一年度、第一年目の報告書のまえがきには、「この事業は本県の場合箕輪町がはじめての試みでありその推進にあたっては好余曲折もあったが::・::」とある。土地調査という地味なしかし農業と密接な関係にあるこの大事業を出発させるために、生みの苦しみが多かった事が想像される。以来大年閥、当初の計画を基本として、本調査に取り組んだ関係者の努力のあとが七冊の報告書よりしのばれる。七冊の報告書の細部の記述形態を見ると、試行錯誤があり、内容について創意工夫がされている。各年度毎に交替する調査班に対しては、テキスト「土地分類調査細部調査のはなし」を作り、作業目的内容についてもわか'り易く説明している。「土地分類調査ーーと問いただけでもう頭が痛くなってしまう。まして土地利用現況、自然的条件、土地生産力の調査、などというように非常にかた苦しい調査がならんでいると、その名前を見ただけで、もう何だか自分の手に到底負えない非常にむづかしいもののように思い込んでしまう。こんな調査は、大学の先生や試験場の技師さん達でなければできないもので、自分達には無縁のものとあっさり割り切ってしまっているのではないだろうか」というような書き始めである。「神社前の田んぼはよくとれるが、学校裏はどうも作りにくい」とか「東の田んぼは地がよいが家敷の西は地が悪い」とか更に「あそこは肥料がよく効くが、ここは肥料が効きにくい」とかいう言葉がある。これを通俗的な言葉に言いかえると、水田のクセともいい、また地力あるいは地のよしあしというものである。このことは作物の成育にとっては極めて重要なことである。自分の耕地についてはその一枚一枚について耕地の性質即ち、地のよしあしを永年の経験を通じて,よく知っている。これは自然にその地方に応じた施肥なり裁培法を行なってい


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