箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


>> 18

火山の降灰による土壌の生成日本は有名な火山固なので、日本全土にわたって火山灰土が広く分布している。箕輪町もこれによって作られた土嬢が多く、此の土壌の特性は、腐蝕にとんだ黒っぽい表面の土壊がたまっていて、粗密度は「ふわふわ」で、水や空気をふくみやすい。そのため冬期には、表面に毛管作用で吸いあげられた水分が凍結して「霜柱」ができる。「ふわふわ」な表面は、かわくと細かい粉になって風に次きとばされて、ほこりがたつ。此の火山灰土はいろいろな特質があるが多国文男は五種に分類している。箕輪町のものは、寅褐色型ハ中性安山岩質)火山灰土となっている。第二節乾田の土壌断面一般に乾田土壌の断面は次のとおりである。一ばんうえには、黒色のうすい九層がある。稲わらや堆肥などが分解して腐植土になっている。乾田では空気の流通がよく、バクテリアの活動がさかんなので、腐植はよく分解していて、養分にとんでいる層の下には、稲の根の作用で、細かいクルミ状構造が発達した勾層がある。この層は、すきまが多く、空気、水、養分などをたくわえるので、稲の生長にとってたいせつな層である。元肥はこの層に十分すき込んでやる必要がある。その下にチミツなん層がある。これは長年耕している中に九層から流れてきた腐植土や粘土のこまかい粒子が、すずきどとそうきまにしみこんでかたまったもので、水田に水をはったとき、水もれを防ぐ役目をしている。これを鋤床層といBう。ざる田(中原)かご田〈八乙女)は、この層ではなく砂質の土壌である。此の場合、粘土質の土をまぜる即ち客土などが必要になってくる。鋤床層の下に、褐色または、灰褐色の層がみられる。これは洪水期に層かBら水にとけて流れて来た鉄、アルミニウムなどがたまっている。層は褐色ないし黒色の蹴鋭が多い。斑鉄は土


<< | < | > | >>