箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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第三章第一節土壌の生成衣、食、住ほとんどすべてが直接、間接に土壌とのかかわりがある。「母なる大地」という言葉があるのもこのためである。又土壌は生物の世界と岩石の世界をむすぶ、くさりのようなものである。風化作用による土壌の生成「石部金吉」とか「石橋をたたいて渡る」「木石のような男」のように岩石は固く変化しないことの例になっているが、長年月風雨にさらされると変化する。この風化作用によっても土壌ができる。福与、三日町、長岡にかけて、花崩岩地帯がある。所によれば表面がボロボロになってゆるやかに欠け落ちているのは風化作用によって土壌が生成されているのである。粘土の生成これは岩石がだんだん細かにくずれていって、空気と水の接触面の面積が大きくなる。そして、水や空気中の酸素の働きを受けやすくなっていくので、ついに一部は水に溶かされるようになる。この変化が重なっていくうちに、鉱物をつくっている結晶の中の桂素(ケイソ〉、アルミニウムなど、いろいろな原子のならび方がいままでとかわってくる。こうしてもとの鉱物のすがたを消して、まったく別のあたらしい物質に変化する。


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