箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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こうした歴史的風土と、現代において諸施策を着々と実現して躍進する箕輪町の現実からして町民の歴史に対する関心は実に高い。そして、この町の悠遠の姿と現実とを、町誌刊行によって後世に残し、郷土の再認識と愛郷心を培養する資とすべきであるという戸を承けて、町の事業として取組んだのが昭和四十三年のことであり、当初の構想としては、三年間位で発刊に漕付けるよう進めること、平易な叙述で中学生でも読み得るような町誌であること、従って史家の評価の高下に拘わらないこと、更に編年的に記述して行くと二分冊にする場合、近代と現代に線を引くことの紛らわしきに諸説があるが、明治以降を現代篇とし自然編を之に合せて第一巻、封建制崩壊以前を歴史編として第二巻とし、平易を旨とするため資料を十分本文に組込めない関係で、後世に伝えるべき資料を吟味して収載する資料編を第三巻とすること等を大綱として、取掛ったのである。しかし、これらの大綱が安易に実現する筈のものでないことも、身を以て知らされた結果となった。二千余頁に及ぶ大著述を三年の聞に生み出すことも至難なら、中学生も解読できる平易な叙述というのも言うに易く書くに難しという現実が、いま縮かれているこの第一巻に成り終っているというわけである。昭和四十三年に発足した編纂委員会は、前述の編纂大綱を決定するとともに、町内に散在する資料の確認と蒐集にかかるために、各区に協力委員会を設けてもらってその協力を仰ぎつつ専門委員、


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