もうひとつの遭難 ~中箕輪国民学校の直江津遭難~

もうひとつの遭難 ~中箕輪国民学校の直江津遭難~ - 箕輪町図書館蔵書のデジタルアーカイブ


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はじめに昭和17年(1942)9月13日、直江津修学旅行に出発した中箕輪国民学校六年生の児童らは、直江津海岸突堤を散策中に突然の大波に襲われ、児童26名が海に転落、このうち21名は救助されましたが、5名の児童が亡くなるという大惨事となりました。太平洋戦争下という時代に起こったこの事件は、未来ある子どもたちの命を突如奪ったのみならず、事件に関係した先生方のその後の運命をも大きく変えることになりました。この事件は、大正2年の駒ヶ岳遭難事件と共に、中箕輪村(現箕輪町)における二つの大きな遭難事件として長く伝えられて来ました。しかし、事件から70年以上が経過した今日、遭難を体験された方々の高齢化も進み、記憶も徐々に風化しつつあります。本年、戦後70年という節目の年に際し、戦争の時代に起こった直江津遭難事件について改めて考え、記憶を継承していくことを目的として特別展を開催します。目次Ⅰ直江津修学旅行の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1Ⅱ中箕輪国民学校の直江津遭難・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4★体験者・目撃者の記憶~聞き取り調査より~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14Ⅲ牛沢先生と東京大空襲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18関係年表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20主な引用・参考文献/史料提供者・協力者一覧凡例1この図録は、箕輪町郷土博物館が平成27年10月17日から11月15日まで開催する、平成27年度特別展「もうひとつの遭難~中箕輪国民学校の直江津遭難~」の展示図録です。2本図録の執筆及び編集は箕輪町郷土博物館(柴秀毅・宮下美鈴)が行いました。3文中で示した経過や見解は、現在残っている史料をもとにして、現段階での考えをまとめたものです。体験者・目撃者の皆さんの個々の記憶とは異なる部分もありますが、ご了承下さい。4今回の特別展の開催にあたりましては、多くの皆様より、多大なる協力を賜りました。巻末に記しまして、深く感謝申し上げます。


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