箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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盛んなお祝をされた。子供達一同が祝ロ聞を贈り健在を祝福した。最近では町長から感謝状が贈られる。その家では記念品を贈った。葬送(仏式)臨終人の最後を「目を落した」とか「おしまいだ」と言う。臨終とは死の直前を言って親戚及び近所の人々が末期の水(死に水)を綿につけて居をしめした。主なる親族が集まると、北枕にして死者の顔には白布を覆い、守万を布団の上におく。もし万のない時は刃物ならば剃万等を魔除けとしておき、猫をょせっけないようにする。枕元には糸枠に生の米粉で枕団子を三つ小皿にのせて灯明をつけて線香を焚いて冥福を祈る。枕廃風といって逆さ扉風を立てる。通夜近親者や知己友人が仏と同一の間で一夜を眼らずに通夜をして、灯明と線香が絶えぬよう夜を明かして故人の徳をしのぶのである。湯濯・納棺湯潅と納棺は同時に行なわれ、大概葬式の前日の夕方行なう。荒縄か藁二|三本でたすきをかけ死者に最も近い親戚の者が、剃髪し身体を拭いてやる。湯濯がすむと、あらかじめ用意された、白手甲、白脚幹、自足袋、経惟子を着せ、草履をはかせて手に珠数、金剛杖を持たせ、頭陀袋の中には、山栂・米糠・胡桃・六文銭・血脈に生前好んだ曲目好物を入れて首にかけて納棺する。棺と仏の隙聞には籾糠を紙袋に入れて、死体の動かないようにする。棺には南無阿弥陀仏と赤紙に白く刷り抜いた六字紙を貼る。納棺がすむと、棺は座敷に移し、荒むしろの上に安置して、棺の上に棺蓋をおいて紋服をかけ、高く盛った枕飯、造花・生花・机・香炉・燭台などを供える。葬式式当日は早朝から隣組の人々により準備が整えられ、それぞれの配役として帳方・響応方・膳方・調理方などをを定めて弔問者を待つ。喪主と二、三人の近親者によって「義理受」が行なわれ、弔問者は焼香をすませると、品目は本膳(吸物盛込・強飯・素麺煮込)に酒肴の接待を受け、休憩所で出棺を待った。今は膳部一切や


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