箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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////一八、一、二八一九、O一一、一西天竜農業倉庫四棟買収中箕輪農業会に改組に伴い、農蚕指導事業を一元的に統合開始する。大正期の大出信用購買組合大正五年発行の「上伊那郡時報」第二号なる冊子に県内産業組合視察報告書なるものが掲載されている。その内容に、大出信用購買組合の様子が述べられている。当所欧州大戦の影響を受け経済界の打撃一方ならぬことより組合に及ぼす内容についても説明している。大出組合のまだ基礎不充分な時代の様子を知るに貴重なものである。実報(一)有限責任大出信用購買組合本組合の事業は逐年組合員の増加に伴い事務繁多にして、年度内執務せざる日極めて少し出資金払込は九月三十日結了せり。貸付金は前年度末普通貸付金九千五百七円年賦償還貸付金四千九十七円三十銭四厘の処春季に於て各種資金Oの貸付をなし六月末に至り一万五千四百二十九円三銭二厘に達す。是年度内貸付最高の時にして九月末即ち養蚕収穫により返金ありし残額は八千三百四十五円九十三銭となれり。ただ遺憾とするは欧州大擾乱の影響を受け、前年度来の一般経済界の打撃は土地購入資金の貸付多額なりし為予定の回収を見る能はず年度末に至りて総計二万二千九百十円九十三銭の巨額に上れり。貯金は前年度末に於て組合員八十七人通帳四百六十一冊金額七千百八十六円十二銭六厘の処前項記載の経済界の打撃は遂に貯金の払戻を請求するもの多数となり、年度末に至り組合員九十人通帳五百二冊全額七千四百二円七十七銭五厘となり前年度末に対比し通帳四十一冊、金額二百十六円六十五銭九厘の増加を見るに過ぎず、之を前年度及前年度の増加額に比較すれば殆ど匝眠状態にあるの観ありて最も遺憾とする所也。


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