箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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八C)C)C)A飼育法の変遷蚕種の保管蚕卵は、一度寒気に触れた後暖気にあうと匪子が発育を始めるから、春期二、三月どろ、思いがけない温暖の日があっても影響がないように、木製の貯蔵箱に納めて、土蔵に保管した。古くから、蚕種は寒水で洗うがよいとされ、寒中に土蔵から取出し、冷水で卵面に付着している塵挨や蛾の尿紘一すを、軟かい刷毛や筆で洗い落とす。洗糠がすむと、蚕穫の上下に糸を通して輪をつくり、竹竿に通して乾燥しOSた時々上下を交換してつるし、蚕紙が平均に乾くようにするなど慎重に取り扱った。乾燥がすむと再び貯蔵箱に納めて、掃立まで大切に保管した。保管がむずかしいので、洗機後は蚕種業者に保管してもらう家もあった。掃立法掃立期が近づくと、微粒子病、軟化病、硬化病等の伝染病を防ぐため、蚕かご、蚕柵、鑑等蚕具は丁寧に水洗し、日光に当てて乾燥する。蚕室も清掃して、保温のための目張りをし、火気を入れて室内を暖め、掃立の準備をする。明治二十二年養蚕飼育表(上古田唐沢喜三雄)によると、「一、蚕種ハ土蔵ヨリ五月十八日取リ出シ、蚕室ヲ構造ス一、同月二十二日午後九時ヨリ室再構造ヲナシ、温度七O度(幻度一、同月二十六日壱枚ヨリ余程発生ス、之ヲ掃クO一、翌日午前四時ニ一丹ピ掃キ捨テ、温度ハ八度合一六・七度ヲ目的トシ室内ヲ温ム以下七五度〈二三・九度ヲ下ゲズ、種ハ紙ニ包ミ持ヘタリて二十八日十一時掃キ、即チ十日間ナリ、虫量拾弐匁五分トナリ、桑三拾七匁五トナルモ外ニアレパ四拾五匁ズツ桑捧ヘスルナリ」とある。土蔵から蚕種を取出し、五日目から温度を加え、八日目に最初の発生をみている。蚕が揃って発生しないと発育がまちまちになり、その後の飼育が面倒になるが、この場合は三日にわたっている。虫量(蚕量)を計


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