箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


>> 579

第七章第一節水産業天竜川の漁業天竜川への鮭放流明治十二年五月にあって、天竜川に鮭などを放流している。県内にあっても古くは江戸時代に、鮒が琵琶湖より移入されたことがあり、諏訪湖のわかさぎ等も大正年聞に放流されているが、明治初年天竜川にこうした水産業振興の計画のあったことは画期的のことであった。次の文書はこの間の事情を物語るものである。天竜鮭、蝦放流ノ儀ニ付細築強等差止ノ儀相違侯処釣魚、川干等致シ候者有之哉モ難計右ハ尤モ忌ムヘキ者-一付最前相達侯。日限中ハ漁業一切禁止セシメ候間本県ヨリ達ノ趣ノ条此旨更ニ相達候事。右之通御筋違相成候間此段御通知及候也。十二年五月二十六日中箕輪村事務所固上古田耕地伍長惣代御中ここにある日限とはこの年五月中旬より七月中旬迄と記されてあり、この間中は、釣り、川干し等総て禁止したもので、この旨、沢、大出、八乙女、松島、木下、上古田、下古田、中原、富田各耕地に達している。この計画は「試験のため」とあり、上伊那郡長名で達が出ている。この後、このような文書がないところから


<< | < | > | >>