箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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右区長野香々彦印名古屋鎮台より西南の役に出征し、隈府口(熊本)で戦死した丸山常三郎の霊澗を建てることの請願書であ日る。戦死者は国で招魂祭をおこなっている。吾々はそれを実際に見ることがないので知らない者がある。遺族のなげきははかりしれないものがあり、霊嗣をたてることによって遺族をなぐさめ、また一般の者には勤王の決心を固くすることになるので、三井八五郎の土地に建設しようとするものであるという趣旨の願書である。第三節明治一年の歩兵科手牒より当時の一般徴兵によって御召募に応ずるときは、この地方では名古屋鎮台管下の各聯隊に入隊をしている。中箕輪村上古田の唐沢由太郎(安政四年七月生〉は、明治十一年四月、名古屋鎮台歩兵第六聯隊へ入隊しているが、当時の本人所有の「歩兵科手牒」(後の軍隊手帳〉によって、λ隊中の状況をたどって見たい。歩兵科手牒法第一条兵隊ハ第一皇威を発揮し国憲を堅固にし国家高民保護の為に被設置侯儀ニ付此の兵員に加わる者ハ忠誠を本とし兵備の大趣意に背かず兵隊の名誉を溶さどる様精々可相心得事第二条一兵員たる者長上に向て敬礼を尽し同輩に対して温和を旨とすべし有且にも無作法の所業有之間敷事第三条兵員たる者首長の命令に服従すべきは兵事の至要に侯間事大小となく首長の命令に違背する者は吃度罪科申付候事第四条一徒党ハ古来の厳禁たり之を犯す者ハ重科申付候事第五条一脱走盗奪賭博等の悪事は其科に応じ罪科申付侯事但し武器軍装を携へ脱走する者は一層重科に処し脱走後二週間を出ずして帰営する者ハ軽科に処し候事第六条一押寅押借並-一局外にて金談に及ぶ者ハ些少と難いえども罪科申付候事第七条けんかさぎ喧嘩闘争並-一放蕩酒狂及び詐欺怠堕等の所業有之候者ハ


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