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五月十日中箕輪松島ニ於テ姓名不詳火元午後三時出火一警鐘ト共ニ出場セシニ暴風故我消防組ハ全速力ヲ以テ馳付郵便局前ニ至リ柳筒二台ニテ防備セシニ如何セン西風猛烈四方焔々タル猛火ノ中一一奮斗セシニ風ハ益々強グ里山畑猛火ハ遠慮ナグ来襲セリ、為メニ消防夫ハ被服ヲ焦シ給水不足其困難ナル名状スベカラズ止ムナク郵便局東日野弘人土蔵等ヲ禦ギシモ火ハ尚ホ我火先ニ向ヒ猛烈-一テ四方ヲ焼払ハン勢ヒ故退却命令ヲ発シ退路ヲ東方ニ取リシニ其困難名状スベカラズ幸-二人ノ残留者モナグ南方へ至リ原愛三郎住家一一至リ防火セシニ給水不足ノ為メニ此又止ムヲ得ス退却命令シ本町ニ出テ千葉国六郎宅屋根一一昇り各消防組と連絡ノ上破壊シ東側ハ是ニテ防火セシニ消防夫ハ空腹ヲ感シタルニ依リ坂井耕地-一馳付食糧ヲ依頼シタルニ村長ハ我消防ノ空腹ヲ慮リ村ヨリ食糧事台二輔人夫一一命シ輸送セラレシ為メ消防夫ニ給与シ綿ノ如グ疲労セシモ為ニ勇奮スルヲ得タリ時ニ十二時警察ヨリ伝令ヲ得松島駐在所へ組頭集合ノ命ニヨリ直チ-一出頭署長ノ命一一依リ南方ヨリノ消火ハ箕輪、南箕輪トノ連合終夜給水消火ニ尽力シ日野屋、松野屋土蔵三棟ヲ防禦シ翌朝九時ヲ以テ解任ノ命-一依リ退場セリ焼失住居百二十戸其他焼失ハ甚大ナラン消防トシテ大勇奮本村ノ活動等ハ万民ニ賞セラレタリ出場人員ハ欠員ノ外欠勤ナカリシ五月十二日松島大火災跡火ハ尚止マザルニ依リ灰掻トシテ正午組員一同見舞トシテ出場松島組頭ノ指揮ニ依リ松野屋酒造家跡ヲ給水取片付ヲセシニ区長組頭ノ歎賞ヲ受ケタリとあり、大火の模様を知るとともに手押ポンプを主力とする当時の消防力の限界をはっきりと知ることができる。このような大火災に対して、箕輪村においては、村長以下村民が一丸となって擢災者救済運動が展開され、全戸より応分の白米が収集され、その量実に白米一四俵であった。時の村長田中順一は「羅災救済寄贈書」と「白米一四俵」を持参して中箕輪村長千葉胤孝に寄贈している。擢災救災寄贈室田本月十日中箕輪村松島ニ於ケル火災ハ近来未曾有ノ災害ニシテ擢災者困弊、情文察スルニ余リアリ我ガ
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