箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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響は大きなものであった。昭和十二年の村税の状況をしるせば次頁の通りでるり上伊那郡郡役所廃止後の村があらゆる税の徴収を負担していることがわかる。ここに、今日の村と臭った昭和戦前の村の財政について思いを新たにすることができよ。〉円ノ村の役場の職員は、村税滞納差押え処分に駆りだされることになる大正期に、各村内に納税組合を作らせるが、箕輪村では、五七の納税組合を作っているが、その組合規約の中に「第七条納期日ニ至リ納付ヲ怠ルモノアル時ハ組合長ハ滞但シ本人-一於テ財産ヲ提供シ其売却代金ヲ以テ税金ヲ弁納者ニ向テ督促シ尚之ヲ納メザル時ハ組合員ヲ召集シ協議償シタル場合ハ此限ニアラスノ上一時組合費中ヨリ立替置クモノトス第九条第八条ノ但シ書-一一於テ本人ノ承諾ヲ得テ財産ヲ売却第八条前条ノ立替金ハ滞納者ノ財産ノ有無ヲ問ハズ其滞納シ納税及雑費ヲ引去リ残余アルトキハ本人ニ還付スルモノ者ヲ組合同一於テ使役シ其賃金ヲ以テ之ヲ弁償セシムルモノトス」トス其立替金之利子ハ滞納者ノ負担トス以上の三ケ条を読めば、納税をめぐって、いかに、ひどい規定が組合という名において強行されているか、伺いしることができよう。そして、表彰規定も忘れずしるし、八ケ条の完納優遇措置が規定されている。しかし、どのような対策をもってしでも、収められないものは、収められないわけであり、暗い村政治が続くことになる。大正期、各村々の滞納額は、箕輪村・中箕輪村とも、郡下の村々の中で成績不振となっているが、これは、役場の督促処理がまずいからである:::という布達文も消えるのは、大正十五年改正地方制からであり、男子普通選挙制実施とともに新たな村政治の局面を迎えることになる。参考として、課税の対象とその金額とを昭和十三年の中箕輪村の分を次に記載する。


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