箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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第六章第一節植物の概要箕輪町の植物については、植物地理学、植物系統学、或は植物区系、分布論など、いわゆる学術的な立場をとらずにあくまで生活とのつながりに於て、町内の植物について、その著名なもの、身近かなものに範囲をせばめる。上伊那教育会編「上伊那植物総目録」によれば、上伊那には高山植物のほかに千数百種の種、変種、品種があるという。箕輪町に於てもこれに近い数があるものと思われる。天竜川の河原から東西の山頂に至る聞の水田地帯、住宅地帯、畑作地帯、山麓地帯、山頂付近と垂直的分布を考えても其の植物景観は多様である。上伊那誌編纂のためその委員が前記総目録の裏付けとなる標本の補充のため、郡下各地を区分して採集したことがある。箕輪町全域にわたる植物採集調査をしてないのでここでそれらの細部について書くことはできない。しかし、「路傍三百」という言葉がある。少し道を歩けば三百種位の植物が見られるということである。第二節農耕地の雑草雑草といえばごみのように感ずるが、個々に見れば夫々生命を持った立派な植物であることは言うまでもない。栽培する作物に対してそれ以外の植物、別の表現をすれば、はえてほしくない植物、じやまな植物が雑草で


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