町長二期目就任式訓示

2018.11.29 就任式挨拶

皆さんおはようございます。
就任式にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 先に執行されました箕輪町長選挙におきまして、町民の皆様から信任をいただき、2期目の当選をさせていただくことができました。本日から2期目のスタートということで、この席に立ち、改めて町政運営を担っていく重責に、身が引き締まる思いがいたしております。
 今回の選挙、投票という形ではありませんでしたが、職員の皆さんと歩んできた4年間の取組みについて、一定程度の評価をしていただいたものと思っております。職員の皆様のご協力、ご支援に感謝するところであります。

 4年間を振り返りますと、全国的に災害が多発する中、上伊那、箕輪町には大きな災害に見舞われなかったことや、経済面では、景気回復基調が続いたことなどの幸運もありました。この間、町では、第5次振興計画を策定し、人口減少問題を最大の課題にしながら行政運営を進めてきました。少子化、高齢化が急速に進む中にあっても(この2年ほど人口2万5000人を維持しており)、産業施策や移住定住対策などの政策効果もあって人口減少カーブを緩やかにしてきております。
 そのほか、沢保育園の建設、工場用地の確保、産業支援センターの開設、農業応援団計画の策定、地域包括ケアシステムの構築、セーフコミュニティなどに取り組んできました。
 こうした取り組みの結果、先ほどの人口や合計特殊出生率、製造品出荷額、アンケート数値としての住民満足度やセーフコミュニティの認知度、満足度など、数字、数値はいずれもよい方向に向かっています。
 一方で、先送りせざるを得なかったものもございます。体育館や武道館などの公共施設の耐震化、長寿命化、にこりこ一帯のリニューアル、図書館建設などがございます。いずれも、検討に時間を要しているもの、財政面から直ちに対応できなかったものであります。
 全体としてみますと、予定をした事業は、9割方を取組み、または、着手しており、一定の評価をいただけるものと思っております。そうした中で、特に、4年目の30年度は、「取組の成果を目に見える形に」、「町民の皆様が成果を実感できる形にしたい」との思いでやってきましたが、すべてについて成果、変化を感じるまでには至りませんでした。これは、私自身の力不足、時間不足の感もいたします。

 さて、来年には、「平成」という時代が幕を閉じ、新たな時代を迎えることになります。まだまだ時代認識について実感がありませんが、ますます複雑、多様化する時代、町民の皆さんの行政ニーズも大きく変化していくものと思います。
 その中で、今回の町長選挙におきましては、5つの基本方針、48の基本政策を示し、「公約」とさせていただきました。また、町の総合計画である第5次振興計画は、箕輪チャレンジ項目を中心に引き続き推進してまいります。
 若干、具体的に申し上げますと、まずは、人口減少対策です。これからも町の政策を総動員して人口減少に立ち向かいます。高校生が進学などで箕輪を離れることはある程度やむを得ないとしても、若者、女性、子育て世代の箕輪へのUIターンを進めます。上伊那管内の企業の良さを本人も親も知らないがゆえに長野県へ戻ってこないケースなどもあります。就職や転職にかかる思い切った支援をしてまいります。移住に関わっても、住宅、仕事、生活相談などきめ細やかな支援を行うため、現在策定中の「みのわUIターン応援プロジェクト」を実施してまいります。
 また、子育て支援についても、結婚から妊娠、出産、子育て、教育とそれぞれの段階で支援の輪を広げてまいります。懸案の木下統合保育園については、出来るだけ早期の開園を目指してまいります。
 地方創生を進めるうえで産業施策は特に重要であります。雇用、仕事の確保、産業人材の育成確保にしっかり進めていく必要があります。未来を託す子どもたちに、私たちを育ててくれた自然環境、田園風景を残していくためにも、「農業」が何より大切です。箕輪町民全員で農業を支える「農業応援団計画」を具体化してまいります。
 また、町の主要産業であるものづくり産業、製造業につきましては、現在策定中の「箕輪町工業ビジョン」に基づき、地域を支える中小企業への支援、高付加価値化や企業間のネットワークづくりなどを進めてまいります。
 また、高齢社会に適切に対応する視点、町民の健康・安全安心に重点を置くことが必要です。年を重ねても、生涯現役で生き生きと健康で暮らすこと、わが町で自分らしく最後まで暮らし続ける環境、仕組みをつくっていくことが重要であります。医療や福祉、介護の充実はもちろん必要ですが、町民みんなが健康づくりを行う町、健康寿命を延伸する町を目指す「箕輪町健康づくり推進条例」の制定、地域包括ケアシステムの構築、通院や買い物などに不自由しない取組みなどを行っていきたいと思っています。
 また、日本中いたるところで災害に見舞われている状況を見ますと、防災・減災対策もしっかり対応してまいります。
 そのほか、様々な分野でスマート化が進むほか、誰もが希望に応じあらゆる場面で活躍できる社会の実現など、将来を見据え積極果敢な取組み、いわば着実に先手を打つ取組がもとめられております。

 そのほかにも、今回の選挙に掲げた公約の中に重点事項とするものがありますが、時間の関係で割愛させていただきますが、いずれもこれまでの4年間の上に、次の4年間があります。私自身とすれば、まちづくりの基本的な方向性は一貫していますので、着実に行政の質、行政レベルを上げていくこと、町内外に具体的な成果、変化を確実に見せていくことで町のイメージアップ、知名度向上につなげていきたいと考えております。
 また、政策的インパクトに欠けているとのご指摘もいただきます。自治体は、総合行政であり、目立つ仕事をすれば住民生活が向上するというものでもありませんが、「さすがに箕輪町!」と言わせる政策づくりも必要かと思っています。

 公務の在り方につきましては、これまで何度となく申し上げてきましたので省略をしますが、町民の皆様の町というよりは職員に対する期待感は大きなものがあります。この点は、国や県の職員とは決定的に違うところだと思います。
 この間、基本的には、従前の組織体制を維持しながら、旧来の人事慣行の撤廃、女性職員の職域の拡大、登用、中堅職員、係長などミドル層が意欲を持って働きやすい職場づくり、政策形成能力の向上などに取り組んできました。住民サービスの向上という観点ではスピード感、顧客満足度、説明責任などの点について課題を感じておりまして 「道半ば」といったところであります。問題を先送りにしているのではないか、何をやるにしても住民の皆さんの理解無くして物事を進めることはできませんが、その辺での意識が十分とは言えないかと思います。
 また、町長と町民の距離感、町と地域の距離感を縮めることに意を用いてきました。セーフコミュニティや地域包括ケアの構築などの場面では、区や常会の役割が大きくなってきましたが、「行政は黒子、主役は町民」というスローガンは、「スローガンで終わってしまった。」、「進展できなかった。」という感をしております。今回、行政経営計画を更新するわけですが、その中でも重要なポイントになるものと考えております。

 まだまだ言い足りないところがありますが、各自治体が地方創生の取り組みを進め、生き残りをかけて行政運営を進めています。私自身も、決して慢心することなく、初心を忘れることなく、また、歩みを止めることなく、今後4年間の町政運営に全力を傾注してまいる所存であります。
 引き続き、職員の皆様には、これまで以上のご理解ご協力をお願いしまして2期目の就任にあたっての挨拶とさせていただきます。


このページの先頭へ