平成30年仕事始めの式挨拶

 職員の皆さん、明けましておめでとうございます。
 年末年始の休日、ゆっくり出来たでしょうか。
 今年も、どうぞよろしくお願い致します。
 天候もよく穏やかな新春であります。
 昨年は、天候不順に悩まされた1年間でありましたので、今年こそ明るく平穏で災害のない1年であることを祈念したいと思います。

 この3年間、職員の皆さんは、どのポジションに就いていたとしても、人口減少への歯止めをかける、町の活力、安全安心といった暮らしやすさを維持する、箕輪町を町の外へ発信していく、そのために様々な資源の魅力づくりをして来てもらいました。
 成果といえるかどうか分かりませんが、若干ですが数字的にもお示しできる段階に来ています。しかし、まだまだもの足りないというのが実感ではないでしょうか。

 1月1日現在の住民基本台帳人口が2万5千人ちょうどということです。このところお亡くなりになる方が多く、出生者数が伸びず心配していました。一喜一憂することはありませんが、歯止めをかけていくこと、減少スピードを押さえていきたいと。

 宝島社が発行している「田舎暮らしの本」の2月号、「住みたい田舎ベストランキング」で、「箕輪町」は、人口10万人未満の小さな町の部で全国25位にランクインしました。500を超える自治体の中でのアンケート調査の結果とはいえ、うれしいことです。
 移住定住対策は、単に人口減少対策であると思われがちですが、箕輪町の活力を維持するための一つと考えてほしい、地方創生をやっていると切実に感じますが、地方で足りないもの、お金はもちろんですが、人、人材です。地域のことを地域で決めるのももちろん大事ですが、外の知恵、ネットワークを生かすことが地域課題の解決につながるものと思います。
 そういう意味で箕輪町との関わりを持つ人を増やしていくこと、それが住むことにもつながるのではないかと思います。
 今回のランキングでは、お隣りの辰野町が大躍進をしています。上伊那全体が上位にランクインしていますので上伊那地域のポテンシャルの高さを示していますが、各市町村の地域での取り組み、成果なども気になるところです。職員の皆さんには、近隣市町村の政策などを調査、研究して見習うべきところは取り入れていってほしいと思います。

 仕事納めの際、産業振興について触れませんでしたが、今年の一番の課題と考えています。
 産業については、民間活動に任せるべきで、あまり行政が手を出すと民の力を引き出せないという面があります。
 しかし、地域の中での雇用、仕事の再生、土地利用の推進、地域のコミュニティの再生が地方創生であります。これまで以上に農業、工業など産業政策に積極策が必要と判断しています。この3年、少しずつ裏方支援から表に出てきたつもりですが、そうした中の一つに、箕輪町農業応援団計画の策定があります。

 農業応援団は、生産者、農家に対する支援はもとより、消費者である町民全員が町を形づくる農地を農地として使い続けるように誘導する施策を進めていくというものです。

①農産物を「売る」、「作る」という面で規模拡大農家や果樹や施設園芸などに挑戦する農家への支援をしていきます。
②併せて、地元の農産物を「買う」「使う」、「農作業を支援する」仕組みを作っていく。町民全体で、学校で、色々な主体が農産物を買ったり使ったりすること。言葉だけでない、地産地消を責任を持ってやっていくこと。
③「農ある暮らしを楽しむ」
 もっと、農を身近なものにしていく。交流菜園など。
④  今までのグリーンツーリズムを発展させ、「農の魅力で人を呼び込む」
そんなことを総合的に進めていきたいと思います。
高齢化や後継者不足で、私たちにとって身近な農地が姿を消していくかもしれません。何としても、箕輪の未来を託す子どもたちのために豊かな風土、農地のある景観を残していく取り組みを進めていきます。

 農業応援団の観点で、大出山口地区にある「にこりこ」、「たべりこ」一帯の課題があります。昨年一年をかけて「にぎわい会議」で検討、提言をいただいております。
 町の農業や観光を考えると大事な場所。様々な経過もありますが、もう一度見直し、賑わいのある場所にしたい。今までの運営を見直し、誰が運営主体になるか、施設の改修、隣接の果樹団地の活用などを検討していきます。
 町民の皆さんに喜んでもらえる施設でなければ町内外の人に活用されない、箕輪町の発信基地にしたい。中身の充実、きらりと光る施設にと考えています。

 次に、製造業、ものづくりについてであります。事業所の数も多く、売り上げ(製造品出荷額)の点でも上伊那トップを維持しています。
 500人規模の工場もありますが、中小企業、規模事業所が多く、景気に左右されやすい産業構造にあります。
 町レベルで大きな事業は出来ませんが、中小企業の皆さんに技術力を高めてもらったり、新製品を開発してもらいたいという願いを込めて、昨年から補助事業を実施しました。5つの会社・グループが研究、開発に取り組んでいます。小型のプレス装置の開発とか、介護用品の販路開拓などを行っています。今後、報告会がありますが、楽しみにしています。町の産業構造を考えたとき、基幹産業の工業、ものづくり産業の将来を見つめ直す時期に来ていると考えています。
 また、耐震性に課題にのあった旧産業会館を改修中です。4月以降、「産業支援センターみのわ」として、新たに創業、起業を考える皆さんにスペースを提供、また、相談員による支援で新たな事業お越しを手伝っていきます。

 観光についても、町観光協会を昨年から民間主導へかじを切りましたが、春には、花もも、梅など見どころも、秋には、赤そば、もみじと誰にも負けない観光スポットがあります。
 赤そばは、昨年大変苦労しましたが、昨年の反省もふまえ、見ごたえのある赤そばに育てる支援をしていく。もみじ湖もライトアップなどで知名度も上がってきたところ。発信力強化と支援策をさらに検討してほしい。

 インフラ整備の中では、町として強力に要望して来た町内を走る、国道153号線バイパスの4車線化の課題があります。
 特に、沢の三叉路からJR飯田線までの区間は片側2車のままで交通事故対策上も課題があることから、期成同盟会等を通じ早急な4車線化工事をお願いして参りました。
 年末に、県から、来年度予算で、三叉路から南小河内線の県道入口付近までの1.3キロほどの工事に入る旨の連絡がございました。1月から、影響を受けると考える関係者、沢、大出両区への説明に入ることになります。
 現在、リニア中央新幹線の開業を見据え、153号線は伊那バイパス、伊駒バイパスと事業予定箇所が目白押しの状態であります。従って、事業費はそちらが優先ということになりJR飯田線の区間については目途が立ちませんが、当面出来るところから事業を進めていってもらいたいと考えております。担当課では、県と連携を取って協力体制を敷いてもらいたいと思います。

 11月以降、予算編成方針が示し29年度予算編成作業も終盤戦です。
 本日以降、副町長査定が始まります。
 町としては、第5次振興計画を策定し、その中で時代感覚、時代の要請を示し、町の構造的問題も明確にし、私たちのやるべきことを「箕輪チャレンジ」として取りまとめてあります。
 今更、あれこれ言う必要はありません。やるべきこと、重点事業を示してありますので、今年は、事業をつくることも大事ですが、着実に成果を上げる年にしていきたいと思います。地区懇談会などを通じて町民の皆さんの意見の集約もしてありますし、職員の皆さんの政策力、行動力も高まっているかと思います。
 人の流れを変える、地域の経済、雇用をけん引する、地域の活力を再生、維持していく、なかなか難しい問題です。また、大胆に割り切りをする必要がありますし、当然に痛みの伴うこともあります。どんなに財政が厳しくとも、町民の思いや声に耳を傾けつつ、新しい仕事の仕方、思考回路で進めていく必要があります。どちらにしても、職員の力をつける絶好の場が予算編成作業ですから。

 1月4日付で総務課から庁内における情報の共有化を進める通知を発出しております。町民、区や団体から寄せられる声、情報、報道等で取り上げられる話題や情報などをいかに問題、課題の共有をして活用できるかが問われています。問題の先送り、その場しのぎをなくすという意味でも、役所の中の縦系列でも横系列でも情報が流れていることが必要です。
 報連相などという当たり前のことを意識しているわけではありません。町民と行政を近くするための方法、職員の問題解決能力の向上策と意識しています。
 よろしくお願いします。

 さあ、1年がスタートします。
 今年1年が箕輪町にとって、災害のない平穏で発展できる年になることと、職員の皆さんが健康で、大いに活躍できる年にしていきたいと思います。
 職員の皆さんとご一緒にスクラムを組んで、私自身も頑張っていきます。よろしくお願いします。


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