箕輪町誌(自然現代編)

箕輪町誌のデジタルブック 自然現代編


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序文箕輪町は、昭和三十年一月一日、中箕輪町、箕輪村、東箕輪村が合併して誕生した町であります。天竜川の両岸にまたがって、西は桑沢山に源をもっ桑沢川、北ノ沢川、深沢川と、黒沢山に源をもつ帯無川や、東は守屋山、真志野峠、高尾山に源をもっ、一ノ沢川、沢川により、山林、原野の資源を背景にして、山の裾、段丘の端、天竜川に近い沖積地に集結し、田、畑を耕作して、永住の地となして点在しているのが各部落であります。遠く縄文時代より現在に至るまで、山、丘、川を利用した人間生活の場所として、最も好適な所を選んだのであります。このような環境のよい所に住んで、明治、大正期において農業開発、教育振興、商工業興隆、財政確立等数多くの問題に直面したが、積極的に取組んだ歴史を持っています。開産社利用による製糸事業の拡大、同社解散にともない出資金償還問題、東箕輪村分村問題、各区の分村問題、学校創設、明治の教育と小学校令、小学校令改正による統合と分村問題、農業用水開発と西天竜開発、伊那電気鉄道の敷設、道路改良と路線格上げ、蚕糸業の変遷、商工業の進展等数多く挙げられるが、昭和に入っても諸問題があり、満洲事変、上海事件、支那事変、大東亜戦争と続いて終戦となり、戦前、戦後と、歴史にも大きく節ができたのであります。


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